キャッチコピー(フレーズ)の作り方/考え方のコツ6STEP(具体例)
キャッチコピーとは
キャッチコピーは広告やプロモーションの際に使用される短いフレーズで、商品やサービスの特徴や利点を強調します。
広告キャンペーンや特定の広告メッセージに対して作成されます。
読者や視聴者に商品の魅力を伝え、興味を引き起こすことが目的です。
広告の効果を高めるために、創造性や感情的なアプローチが使われることが一般的です。
世の中にはキャッチコピーには混同する似ている言葉がたくさんあります。
しかし本質は一緒で作り方も一緒です。
どれも 消費者の注意を引き、興味を惹きつけ、行動を促すことが目的
になります。 混同する言葉は当記事に記載していますのでご覧ください
キャッチコピーの重要性
アイデンティティを強化する
- 会社全体を象徴し、ブランドの独自性(唯一無二)を形成する重要な要素
- 消費者に対してブランドの特徴や価値を明確に伝え、ブランドの認知度と信頼性を高める役割を果たします。
例:Nikeのスローガン「Just Do It(ただやれ)」は、挑戦と勇気を象徴し、スポーツを愛する人々に向けて「勇敢で自己を信じる人々のブランド」というイメージで確立し、世界的に認知されています。
アイデンティティ(自己同一性)とは?
企業やブランドが自己の独自性や特徴をより明確に表現し、他との差別化を図ることで自社の存在感や認知度を高めることを意味します。これにより、顧客は企業やブランドに対して一貫性を感じ、自社の提供する価値や商品・サービスに対して信頼を持つことができます。アイデンティティを強化することは、長期的なブランド戦略の一環として、消費者に深い印象を与え、ブランドの魅力を高めることにつながります。
特徴や魅力を強調する
- 商品ごとに異なる特徴や利点を消費者に伝える重要な要素。
- 商品の魅力を引き立て、顧客の購買意欲を刺激する役割を果たす。
- 商品の差別化と競争力を高める。
例:コカ・コーラのキャッチコピー「Taste the Feeling(気持ちを味わおう)」は、コカ・コーラの爽快な味わいをアピールし、消費者にコカ・コーラを楽しむ魅力を伝えます。このキャッチコピーは、コカ・コーラの炭酸飲料としてのベネフィットを強調し、飲用体験に関連する感情を喚起します。
感情や共感に喚起する
- 心に響く言葉やストーリーを取り入れることで、顧客の心に強い印象を残すことができます。
- 感情的な繋がりを作ることで、顧客との関係を深め、忠誠心を促進する効果があります。
例:保険会社のキャッチコピー「あなたと家族の未来を守る」は、顧客の安心感や家族への愛情を喚起し、共感を呼び起こします。このキャッチコピーは、保険商品を購入することで将来の不安を軽減し、家族に対して安心と保護を提供するというエモーショナルな要素を強調します。
広告の効果を高める
- キャッチコピーは短い文言で情報を伝えるため、広告スペースや時間を効率的に活用することができます。
- 魅力的で記憶に残るキャッチコピーは広告のリコール率を上げ、広告の目的達成に貢献します。
例:スマートフォンの広告におけるキャッチコピー「世界が変わる、あなたの手の中へ」は、スマートフォンの持つ革新的な機能や利便性をアピールし、顧客の興味を引きます。このキャッチコピーは、スマートフォンを手にすることで新しい体験が得られ、世界が広がるという効果を強調し、広告の反応やクリック率を向上させる効果が期待されます。
キャッチコピー作成手順
① 目的と対象者(ペルソナ)の把握
どんな人を対象に言葉を掛けるのか。まず見つめなおしましょう。
同じ悩みを相談されても対象によって返答は変えると思います。それと同じです
見当違いのキャッチコピーをしても相手には刺さりません。まずは対象を知りましょう
今から行うサービス・提供する商品は対象のどのような悩みを解決しますか?
悩みを解決した後、どのような未来を顧客に提供しますか?
自社の商品・サービスが助けられる相手はどんな人でしょうか?
ペルソナはどのような世代で育った方でしょうか?
② ベネフィットを示す
商品やサービス、会社が顧客に「どのような理想未来」を提供するでしょうか?
顧客は「必要性」と「緊急性」がなければお金を払い対価を得ようとしません。
何を解決できるのか?
どんな利益があるのか?
なぜ他の選択より優れているのか?
どのような感情を呼び起こすのか?
③ エモーショナルな要素の取り入れ
人はドラマが好きなわけではないです。「感情が揺さぶられる」ドラマが好きです
人がホラーを見るのも「感情を揺さぶられる」から
人が絶叫系に乗るのも、激辛を食べに行くのも、有名店にいくのも同様です。
感情が揺さぶれると、覗きたくなります。「凄い感動した!面白かった!(感情がゆさぶられた)」と口コミを聞くと覗きに行きたくなるのが人間の本能です。
キャッチコピーに感情を呼び起こす言葉やフレーズを取り入れることで、共感を呼び起こしましょう。喜び、安心、驚き、興味を引くなどの感情を煽ることで心に残りやすくなります。
1.顧客の欲求や願望を考える: 自信に問いかけて、顧客が抱える欲求や願望に焦点を当てます。「あなたは一生の思い出を作りたくありませんか?」
2.幸せや満足を追求することを強調する: 商品やサービスを利用した際に得られる幸せや満足を強調します。「理想の体型を手に入れて、自信溢れる毎日を送りません」
3.共感を促す: 顧客が共感する可能性の高いテーマやストーリーを取り入れます。「忙しい生活中、リラックスした時間を大切にしたい」
4.夢や希望を描く: 顧客の夢や希望に向けてメッセージを訴求します。「未来の才能を伸ばし、夢を実現する」
④ 簡潔かつ具体的な表現
キャッチコピーは短い文章であり、わかりやすい表現が大切です。記憶に残るワンフレーズを作りたいですね。
キャッチコピーを読んだだけで、商品の特長や利点が一目瞭然か?
一瞬で商品の価値が理解できるだろうか?
商品の最大の魅力が伝わるだろうか?
裏付ける事例が含まれているだろうか?
⑤ インパクトのある言葉の使用
強調するために、インパクトのある言葉やフレーズを使いましょう。例えば、「驚きの価格」「限定特典」「最新のトレンド」などがあります。
1. キャッチコピーが目立つか、記憶に残るか?
– 他の広告やメッセージと比べて、自社のキャッチコピーが目を引くか?
– 顧客が一度見たキャッチコピーを後でも思い出せるか?
2. 言葉選びやフレーズによって、興味を引き、関心を喚起できているか?
– ターゲット層の興味を引くような言葉を使っているか?
– 顧客の欲求やニーズに対応する言葉を盛り込んでいるか?
3. ターゲット層に対して、強い印象を与えることができるか?
– ターゲット層が共感しやすい表現やメッセージを使っているか?
– 顧客の感情に訴えかける言葉を取り入れているか?
4. 他社と差別化し、独自性を示す言葉を使っているか?
– 競合他社とは異なる独自の価値を強調しているか?
– ブランドや商品の特徴を強調し、差別化を図っているか?
5. 商品やサービスの魅力を的確に伝える言葉を使っているか?
– 商品やサービスの利点や特長を簡潔に伝えているか?
– 顧客にとってのメリットや価値を具体的に表現しているか?
⑥ 顧客の視点に立つ(振り返り)
これまでの過程で出来上がったものを最終確認します。
ペルソナに沿った周囲の人に実際に意見を聞いてみることも良いと思います。
顧客のニーズや欲求を理解しているか?
顧客が商品やサービスを利用する際のメリットや利点は何か?
言葉選びや表現によって、顧客の感情や共感を喚起できるか?
顧客が商品やサービスに求める価値や特徴は何か?
商品やサービスの価値を伝えることができているか?
具体例
ライザップ:「いま、最高の自分を創ろう。」
キャッチコピーの解説
狙い: ターゲット層に向けて自分自身の向上や成長を促し、変化を起こすことを呼びかけています。
ベネフィット: 「最高の自分」を創るという表現によって、顧客が自分自身をより良い状態に導けるという利益を強調しています。
エモーショナルな要素: 「いま」という言葉が、即座に行動を起こす重要性を訴求し、感情を刺激しています。
簡潔かつ具体的な表現: 短いフレーズでありながら、「最高の自分を創る」という具体的なアクションを提示しています。
インパクトのある言葉の使用: 「創ろう」という言葉が、高いレベルの達成と積極的な行動を連想させます。
顧客の視点に立つ: 自分自身の成長や向上を重視するターゲット層に対して、自分自身を変える可能性を提案しています。
このキャッチコピーは、ライザップのトレーニングプログラムを利用することで、顧客が最高の自分を目指し、自己成長を達成することをイメージさせます。目標設定や自己改善への意欲を喚起する効果があります。また、短いフレーズでありながら、具体的な行動を促すメッセージを効果的に伝えています。
キャッチコピーはブランドのアイデンティティや商品・サービスの特徴を端的に表現する重要な要素であり、顧客の心を掴む力があります。ライザップのキャッチコピーは、魅力的で効果的なコミュニケーションを行うための成功例と言えるでしょう。
注意点
明確な目的を持つ
キャッチコピーは特定の目的を達成するために使用されます。
ブログの場合、読者の興味を引きつけ、コンテンツを読んでもらうことが主な目的となります。
目的を明確にしましょう。
ターゲット層に合わせる
キャッチコピーは特定の読者に訴求するためのものです。
対象を把握し、その人々の興味や関心に合わせたキャッチコピーを作成します
簡潔でわかりやすい
キャッチコピーは短い文章であり、わかりやすくシンプルな表現が重要です。
冗長な表現や専門用語は避け、一目で理解できるように工夫しましょう。
感情を呼び起こす言葉を使う
キャッチコピーには感情を刺激する言葉やフレーズを取り入れることが効果的です。
喜び、興味、驚きなどの感情を呼び起こすことで、読者の興味を引きやすくなります。
特徴よりもベネフィットを強調
ブログのキャッチコピーでは、読者に提供する利益や価値を重視しましょう。
商品やサービスの特徴よりも、読者が得られるメリットを示すことが大切です。
ブランドのアイデンティティと整合性を保つ
ブログはブランドの一部であり、キャッチコピーもブランドのアイデンティティと整合性を持つことが重要です。
ブランドのコンセプトやメッセージと一致するように心掛けましょう。
まとめ:一緒に覚えておこう。混同されやすい用語
本質は一緒 作成手順は変わりません
消費者の注意を引き、興味を惹きつけ、行動を促すこと
どの用語もこの本質は変わりません。以下の具体例を見ながらそれぞれを理解しましょう
具体例: ある食品会社が新しい商品を開発
コンセプト「自然と調和する健康的な生活をサポートする」
スローガン「自然の恵みを味わい、健康を育む」
タグライン「し・ぜ・ん と健康」
キャッチコピー「毎日の食卓に自然の美味しさと栄養を」
キャンペーンスローガン「夏を楽しもう!新商品限定の涼しさがやってきた!」
コンセプト
コンセプトは広告やコンテンツの根本的なアイデアやテーマを指します。
ブランドや商品の狙いを明確にし、広告キャンペーンやコンテンツ制作において一貫性を持たせるための基本となる概念です。
コンセプトは長期的なブランド戦略に対して重要であり、スローガンやキャッチコピーはそのコンセプトを具現化する手段として使われます。
具体例「自然と調和する健康的な生活をサポートする」
スローガン
ブランドや企業のアイデンティティを表現するための短いフレーズで、ブランドのメッセージや理念を伝えます。 企業目的をフレーズ化したものになります。
具体例: 「自然の恵みを味わい、健康を育む」
タグライン
キャッチコピーを顧客に向けてわかりやすく、心に残りやすい言葉に変えたもの
「企業から顧客に伝える簡潔なメッセージ」です
キャッチコピーに比べ中長期的な時間をかけて浸透させていきます。
「体にピース」 「ココロも満タンに」 「お口の恋人」 など
具体例:「し・ぜ・ん と健康」
キャッチコピー
本来は広告やプロモーションの際に使われる短い表現やスローガンを指します。
顧客にどのようなベネフィット(理想の未来)を与えるかを言語化したものになります
ブランドの表現として使用されていることもあるので、現在はスローガンと意味が混同し始めていますが、明確には間違った使い方になります。
具体例:「毎日の食卓に自然の美味しさと栄養を」
キャンペーンスローガン
一時的なキャンペーンやイベントに関連して使われることが一般的です。
通常、期間限定の特別なオファーやセール、季節のイベントなどで使用されます。
具体例:「夏を楽しもう!新商品限定の涼しさがやってきた!」